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2012年5月31日 (木)

三郷の煉瓦の蔵

安曇野市の三郷というところに煉瓦の蔵が2棟あります。そのうちの一つは、所有者の方が同じ町会の人で、中を見せていただくことが出来ました。

棟木(梁)は壱尺八寸(約54センチ)の丸太梁で、下面に、『明治39年』とあり、側面に『大工棟梁山田正壽』と書かれていました。反対側には御札と槌とわらじが打ち付けてあり、桁周りの各面にも御札(御守)がありました。構造は木造で、柱に板を落とし込んであり、その外側に土塗り壁が見えたのでその土に煉瓦が接着されているのかと思われます。壁厚から察するに、煉瓦は1枚積みで、構造は担っていない、化粧及び防火のための仕上げ材です。構造が落としこみ板のいわゆる柔構造で、煉瓦の組積の仕上げで相性は最悪なようで、目地割れ箇所が多々有り、補強のつもりなのか目地に釘が多数打ってありました。昭和になってから鉄材で補強をしたそうです。煉瓦の大きさは220~230×55~60くらいと結構不揃いで角もあまりシャープでないので、手による成型だと思われます。積み方は長手だけを見せた積み方で、壁の上部の臥梁(がりょう)にあたる部分の積み方もいたってシンプル。目地は砂漆喰のような感じです。

Photo_2  もともと蚕種製造業をしていたそうで、明治期はだいぶ繁盛していたのではないでしょうか。立派な扉がついていました。もとはダイヤル錠がついていたそうですが泥棒に壊されてしまって今は違う鍵がつけてあります。窓は2階に小窓が2つついているだけですが、1階には畳が敷かれ、階段は赤漆塗りで細工もしっかりしてあって単なる倉庫ではなかったようです。所有者の方の記憶では家財道具や蚕の関係のものが仕舞ってあったそうですが、違う用途だった可能性が大です。Photo

 築100年以上の本棟造りの母屋は、今は民間の福祉施設として活用されています。
庭への門がとても立派で、瓦職人が力を注いで造ったのが伝わってきます。

 煉瓦蔵の屋根が傷んでしまって、補修を計画しているそうです。このところ、昨年の地震の影響も有り古いものがどんどん壊されてしまっているので、こういうものを大事に思っていてくださる方に出会うと本当に嬉しくなります。

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